とんと御無沙汰の「勝手に回答」シリーズ, 今回はteratail やばくないですかという意見交換への回答です。 質問タイトルを日記タイトルにするとちょっとやばそうなのと,実はスタックオーバーフローも同じ傾向なので「質問サイト」と一般的な名称にしました。
この前述のTeratailの意見交換のある意見の中の 参考リンクでスタックオーブフロー(日本語版ではない方)の月別質問の推移が示されていました。 次の画像です。(元記事の参照になっています)

一方,Teratailのteratail衰退の歴史と要因を知りたいの中で, 私が調べてみたTerarailの月別質問数は次の画像です。(元記事の参照になっています)

これらのグラフを見ると,Teratailの方は開始が2014年なので,2020年までは右肩上がり,スタックオーバーフローは 2000年代スタートで2014年にピークに達して2020年代まで漸減状態のようです。
その後,新型コロナウイルスの影響で在宅勤務の増加のタイミングで急増し, その後利用者数は減少の一途をたどる,といった感じです。
で,だいたい「生成AI利用が増えたせい」と語られることが多いのですが, 減少しているタイミングは生成AIが一般的に利用される以前から始まっているような気がします。
ではなぜか?と何となく思っていたのですが,最近ふとこれじゃないか?と思うことがありました。
私がよく利用しているJulia言語では毎年一回「JuliaCon」というカンファレンスの中で 「Users & Developer Surver」という発表があります。 これはJulia言語を利用している人のアンケート調査です。
その2024年調査資料の 11ページ目のスライドに「Where do you interact with the Julia community?」という質問の 回答一覧と,2021~2024年の年次推移があります。
それを見ると,Julia DiscourseというJulia言語利用者専門のコミュニティサイトが多く利用され 年次推移でも利用者が増加していることが分かります。
また,スタックオーバーフロー,Twitter(今で言うX.com)については,漸減傾向であることが分かります。
その他slack,Discordなどより小さいコミュニティサイズを利用するようになっていることが分かります。
そこで,Julia Discourseは コミュニティサイト構築サービスのDiscourseを利用して構築されていることを知ります。
そのDicourseを使っているコミュニティ検索のサイトを見ると, 非常にたくさんのコミュニティがあることが分かります。
そこには月間(30日間)のトピック数(Teratailでいう「アクティブ」数)も表示されていて, Julia言語の場合,およそ340だそうです。
Teratailは現在1ヵ月のアクティブ数はおよそ150程度なので,およそ倍。 過去一年間のJulia言語に関する質問数が2件だったことを考えると, Julia言語の場合どちらをユーザーが利用するかは一目瞭然でしょう。
また,その他色々な分野に分かれたコミュニティがたくさんあることが分かります。
特にマイナーな技術・専問的な技術については 専問のコミュニティサイトを利用する流れができている気がします。
学生さん関係でいうなら UbuntuのことならAsk ubuntuとかUbuntu日本語フォーラム, TeXのことならTeXフォーラム, MatlabのことならMatlab Answers等, 総合的な質問サイトより専門的なコミュニティサイト,というのが最近の流れではないかと推測しています。
また,PythonやIT関係のメジャーな技術情報は生成AIの能力が高くなったので, そちらの利用が増えているのも重なっていると思います。
もちろん,こういう流れを知らない方はまずTeratailのような質問サイトに質問すると思うので, 最初のとっかかりとして,質問サイトは存在し続けていくのではないかと思います。