知る人ぞ知る日本のJulia言語ユーザー御用達フォントにJuiseeがある。 これは,世界のJuliaユーザー御用達のJuliaMonoフォントに,日本語フォントLINE Seed JPを合成したプログラミング用フォントである。
JuliaMonoフォントと日本語フォントを合成したフォントは他にJuGeMがある。 個人的な好みとして
- Juiseeの方が日本語の間隔が狭く読みやすい
- Juiseeはソースをダウンロードしてカスタムビルドすることでスラッシュ0に変更可能
ということで,Juiseeを使っている。この辺りは好みというところだ。
そこで,
- 半角英数と日本語の横幅の比率を1:2
- スラッシュゼロ
とすべく自分でソースをダウンロードしてビルドする。
ビルド環境の構築
自前の環境の前提条件として,
- OSはWindows 10
- FontForgeはFontForge on Windowsから 2023-01-01 Release Installerを ダウンロードしてインストール。PATHは通していない。
- pythonは公式のインストーラにてインストール。PATHは通している。バージョンは環境構築した時点の最新で3.10
ビルドの前準備とビルド
pipにてまずは必要なpythonパッケージをインストールする。PowerShell上から(cdとかコマンドプロンプトチックだがあまり知らないためご容赦を)
cd .\Downloads\juisee-0.0.6\juisee-0.0.6 pip install -r requirements.txt
続いて
& "C:\Program Files (x86)\FontForgeBuilds\bin\fontforge.exe" --lang=py -script .\fontforge_script.py --slashed-zero --half-width
のコマンドを実行して,--slashed-zero
,--half-width
のオプションをつけてビルドする。
ビルドスクリプトにオプションをつけると,&&
でコマンドをつなげづらくなるようなので以下は上のコマンドが終わった後
一つずつ実行する。
& Get-ChildItem .\build\fontforge_Juisee*.ttf | % { python -m ttfautohint --dehint --no-info $_.Fullname $_.FullName } python .\fonttools_script.py
./build
フォルダの中にJuiseeHWSZ-*.ttf
があればビルド成功。途中よく分からないメッセージが出るがあまり気にしないこととする。
まとめ
以上のように,Juiseeフォントをカスタムビルドする環境が整った。 これができると,最近また更新間隔が短くなっている最新のJuliaMonoフォントに置き換えて試用することも 可能となり,国内のごく一部のJuliaユーザーにも役に立つ情報かもしれない。
おまけ:Windows版FontForgeの日本語の表示を直す方法
FontForgeのデフォルトUIフォントが酷すぎるのは不具合だったし今直せるを参考にすると直せるようです。
ビルド自体にはあまり関係がありませんが,参考にさせてもらいました。