ujimushi(@旧sradjp(15364))の日記

旧スラドの日記の引越先です

LaTeXは毎年のささやかな幸せの報告のお供

この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2023の9日目の記事です。 8日目はzr_tex8rさんのLaTeXでフツーの幸せな出力を得る方法でした。 10日目はhid_alma1026さんの [改訂第9版]LaTeX美文書作成入門の読書感想文です。

いつか参加したいと思っていたTexのAdvent Calendar。(漢直とかそもそも人がいないし, 最近よく使っているJulia言語はキラキラし過ぎてて…) ちゃんとしたネタはまだできてないけど,ふと見ると109日目が空いている。 LaTeXはほとんど仕事しか使っておらず,家のubuntu PC内に何かネタがないかと思っていたら, 2022,2023年用の年賀状のLaTeXのソースが出てきた。

年賀状を書いた2021年,2022年末は家族の新型コロナウイルス騒動で大変な年, そして無事に新年にたどり着いたという年末のささやかな幸せが自虐と共に詰まっている。

ということでありのまま紹介したい(ありの~♪ままの~♪)。

  • ドキュメントクラスはjlreqpaperオプションを使って年賀状サイズも楽チン←多分ぐぐって調べた
  • tateオプション使用
  • フォントはWindows用年賀状作成ソフトを購入してWineでubuntuにインストール(一回も使用せず)し, 使いたいフォントを$HOME/texmf/fonts/truetype/の下にシンボリックリンクしたもの。 年賀状作成ソフトをインストールして(LaTeXで)年賀状を作成したので一応目的通り(?)
  • remember picture, overlayオプションは,そのページのどこでも配置可能となるおまじない。 ただし,(0, 0)がどこかは不明で,試行錯誤。なおdvipdfmxで使うにはzr_tex8rさん作成の いくつかのスタイルファイルが必要(感謝)。
  • デザインは郵便局のハガキデザインキット(Web版)まかせ
  • ハガキデザインキット(Web版)から出力したpdfの回転属性読み込みに(当時使用していたTeXLiveでは) 対応していなかったので,Tikzのrotateを使ってから座標指定は試行錯誤
  • Tikzの\nodeを使ったテキスト出力。text widthが実は縦方向の幅指定とかなり変態的挙動。
  • \\[-5pt]とか次の行の位置について試行錯誤の跡が見られる
  • 文章(node)毎の座標も試行錯誤
\documentclass[uplatex,paper={10cm, 14.8cm}, tate,10pt,dvipdfmx]{jlreq}
\usepackage{pxchfon}
\setminchofont{ASKai9.ttf}
\setgothicfont{ASKai9.ttf}
\usepackage{hyperref}
\usepackage{pxjahyper}
\usepackage[dvipdfmx]{xcolor}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{pgf,tikz}
\usepackage{pxpgfmark}
\pagestyle{empty}
\begin{document}

\begin{tikzpicture}[remember picture, overlay]
\node[rotate=90, anchor=south] at (-8.2,-7.5) {\includegraphics[width=10cm]{img/tora.pdf}};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(3,1.4)
{\large 明けまして \\[-5pt]   おめでとうございます \\
  本年もよろしく\\[-5pt]    お願いいたします};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(0.9,1.2)
{旧年は娘が新型コロナウイルス\\[-4pt] (以降新コロ)に感染し自宅療養\\[-4pt]
するなど新コロに振り回された一年\\[-7pt] となりました};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(-0.8,1.2)
{ 幸い娘の症状も軽く他の家族は陰性\\[-4pt]
 新年を全員健康で迎えることが\\[-6pt]  できました};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(-2.1,1.3)
{ 新コロにも負けずまた元気な姿で\\[-6pt]
 お会いできる日を楽しみに\\[-7pt]  しています};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(-3.6,0.8)
{ 令和四年 元日};

\end{tikzpicture}
\end{document}

%#!uplatex -synctex=1 -shell-escape 2022-ura.tex

2022年年賀状

\documentclass[uplatex,paper={10cm, 14.8cm}, tate,10pt,dvipdfmx]{jlreq}
\usepackage{pxchfon}
\setminchofont{ASKai9.ttf}
\setgothicfont{ASKai9.ttf}
\usepackage{hyperref}
\usepackage{pxjahyper}
\usepackage[dvipdfmx]{xcolor}
\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
\usepackage{pgf,tikz}
\usepackage{pxpgfmark}
\pagestyle{empty}

\begin{document}
\begin{tikzpicture}[remember picture, overlay]
\node[rotate=90, anchor=south] at (-8.2,-7.5) {\includegraphics[width=10cm]{img/2023-design.pdf}};

% \node[anchor=north, text width=6cm] at(3,1.4)
% {\large 明けまして \\[-5pt]   おめでとうございます \\
%  本年もよろしく\\[-5pt]    お願いいたします};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(3.2,1.4)
{旧年末は妻・私が次々と新型コロナ\\[-4pt]
ウイルス (以降新コロ)に感染し\\[-4pt]
自宅療養するなど またも新コロに
\\[-4pt]一撃を食らいました};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(1.0,1.3)
{ 新コロにも負けずまた元気な姿で\\[-6pt]
 お会いできる日を楽しみに\\[-7pt]
  しています};

\node[anchor=north, text width=6cm] at(-0.5,0.8)
{ 令和五年 元日};

\end{tikzpicture}
\end{document}

%#!uplatex -synctex=1 -shell-escape 2023-ura.tex

2023年年賀状

見ていただいて分かる通り,私の人生と同じくスマートさもへったくれもなく,泥臭い試行錯誤, コピペ,全角空白,\\[何pt]等による微調整など小手先処理にあふれたソースとなっています。

今年も無事に家族揃って年末を迎えました。毎年の生存のささやかな幸せの報告はLaTeXと共に。

この記事の注意

  • 年賀状作成例に,はがきデザインキット2022, 2023(Web版)に含まれるデザインの画像が含まれています
  • 年賀状作成例に,購入した年賀状作成ソフト「筆ぐるめ」に付属するフォントの画像が含まれています